「幸せ」の定義を追い求めるシリーズ。今回はギリシャの島が舞台です。
死ぬことを忘れた人々が住むギリシャの離島「イカリア島」の長寿の秘密とは?
エーゲ海に浮かぶギリシャの離島、イカリア島をご存知ですか。人口およそ 8 千人で石垣島よりも少々大きいこの島は、BBC、CNN、ガーディアン誌、NY タイムズ誌などで紹介されている世界的に長寿で有名な島として注目されている島です。2004 年からは、冒険家ダン・ベットナーがナショナルジオグラフィック誌とチームを組み世界の長寿研究プロジェクト「ブルーゾーン」(Blue Zones)を開始。長寿研究者たちが選んだ世界的に長寿な地域は、サルディーニャ島(イタリア)、沖縄(日本)、ロマリンダ(アメリカ)、ニコヤ半島(コスタリカ)、そしてイカリア島(ギリシャ)でした。
映画について(公式サイトより)
ギリシャは2010年頃からの経済危機で3人に1人は貧しく、若者の半分は無職となった。職を失い、希望を失った「ロストジェネレーション」と呼ばれる若者たちの多くはギリシャを離れ、海外に逃れたいと思うようになる。そして一部は僅かな希望を抱き、田舎を目指して移住。人生を再出発させようと行動を始めていた。
IT関連の仕事をしていた35歳のトドリスも、不況で治安も悪化した大都市アテネが故郷とは思えなくなり彼女のアナと、どこかミステリアスなギリシャの離島、イカリア島に移住することになる。イカリア島は長寿で有名な島で、人々は幸せに暮らしているという。イカリア島の暮らしは都市生活とは全くことなり自給自足的。トドリスは畑付きの家を買い、畑を始め、島の生活に馴染もうとするが…
監督のニコス・ダヤンダスも自らイカリア島に暮らしながら、新たな生活を始めたばかりのトドリスやアナの悩みや学びを追いかけ、どんな社会状況であろうと長寿で幸せに生きるイカリア島の老人たちの幸せの秘密迫っていく。小さなことで満足し、幸せだと感じることができる。この感覚こそが、多くの現代人が忘れてしまった感覚なのかもしれない。
2022/03/18