2022年6月25日(日)
映画「ハーフ」の主人公のお一人である矢野デイビットさんをお迎えして37名でオンライン・トークショーを開催しました。当日は学校関係者、英語教育関係者、学生の皆さんと幅広い年齢層からご参加いただきました。
日本人のお父さんとガーナ人のお母さんとの間に生まれたデイビットさんは、兄弟2人とともにガーナで幸せに暮らしていましたが、突然、強盗に襲われてしまいます。九死に一生を得て日本に来たのが6歳の時。兄弟3人は児童養護施設に預けられましたが言葉や差別の壁に阻まれた日々の生活は辛いことが多かったようです。
信頼できる二人の先生に出会い、デイビットさんは少しずつ強くなっていきます。自分を一人の人間として受け入れ、信じてくれる人達で自分の人生を満たしていこうと決めるのです。孤独、恐怖、理不尽なことは神から与えられた試練だと考え、プラスにとらえるように。
「人は失敗をする生き物で、挫折や失敗からどう立ち上がるかがその人の生きざまだと思う。失敗をしたという経験からしか生まれてこない新しい成長あるはず。失敗の先にしか大切なことはない。失敗を恐れても諦めてもダメだ。その体験をどう生かすか、だ」
その後、ガーナと日本の架け橋になった彼は、あるとき日本に帰国して気づいたそうです。
「空港からの満員電車の中で誰一人笑っていなかった。経済的に豊かだから、幸せなんじゃない。社会的に偉いから幸せなんじゃない。ガーナで過ごした時間は自分の心や人生をとても豊かにしてくれる。ガーナではみんな一生懸命に生きている。日本で気づくことができなかったことに気づかせてくれる」と。
大人へのメッセージのひとつを挙げると・・・
「日本の親子は会話が少ない。考え方やものの捉え方はそれぞれだから、自分に起きたことをどう考え、どう反応するか。大人達はその考え方の種を与えられるか。先人として価値観や経験を伝えていってほしい。」深いことばですね。
最後にもうひとつ、心に響いたデイビットさんのお母さんのことばをご紹介します。
「あなたの眼に写る景色はあなたにしか見えない。あなたの人生はあなたのもの。胸を張って誇りを持って生きなさい。」
このことばは今地球に生きている全員に響くメッセージではないでしょうか。
まだまだ、書ききれないほどの宝石のようなことばをたくさんいただきました。
あっという間の90分でした。またいつかツナガリたいと思っています。
デイビットさん、参加者の皆さん、ありがとうございました!
尚、映画「ハーフ」は現在アマゾンプライム会員なら自分のデバイスでご覧いただけます。ぜひ観てみてくださいね。
2022/06/27