3月12日(日)大人6名の参加でオンライン開催をしました。
伝説的な天才ピアニストのディビッド・ヘルフゴットは、小さい頃から厳格な父からピアニストになるべく英才教育を受け、10代で数々のコンクールで入賞し、神童と讃えられました。世界屈指の音楽大学、英国王立音楽大学に特待生として進学し、音楽の殿堂ロイヤル・アルバート・ホールではラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」を演奏し大成功を収めます。
しかし、直後に精神病に陥り、11年もの歳月をピアノに触れることなく陰鬱な人生を神経科病院で過すことになります。妻ギリアンは情熱的で人懐こいディビッドにだんだんと惹かれ、出会って2日で結婚します。少年のように素直で明るくてユーモアに溢れ、誰とでも握手しキスしながらも時折、人生哲学を語る風変わりで愛らしいディビッド。ギリアンや周囲の音楽関係者たちの助けを得て彼は世界的なコンサートへのカムバックを成功させます。
彼がなぜ「彼」なのか、については詳しくは描かれていませんが、家族間の関係性、つまり祖父と父の関係や父と彼自身の関係がかなり影響しているように見受けられます。統合失調症とも言われていましたが、臨床心理士や精神医学者たちが分析しても当てはまるものがなかったということ。そもそも人を分類したり、カテゴリー別に区分けする必要があるのだろうか?というところにいきつきます。
彼はピアノが大好きで、いろいろなこだわりがあって、出会うひと一人一人に挨拶をするのが大好きで、ノートとペンを集めることが大好きで、時として彼自身の考えと世間の解釈がちがっていることもあるけれど、常に前向きで「今」を生きているだけなのです。
「いつも感謝していれば幸せになれるんだよ」「自然との一体感'oneness' が心地いい」「人生は楽しい旅だ。目的地なんかないんだよ」時々、周りの人に言いきかせるようにつぶやく彼のやさしいことばは、だれにでも当てはまる心の持ち方、幸せの方程式のように思えました。
2022/03/15